【朗読】運命 ‐ 林芙美子 <河村シゲル Bun-Gei 名作朗読選>

赤い 繭

言わずと知れた名作、安部公房『赤い繭』。 家をなくした男が自分の家をさまよい歩いているうちに繭になっちゃったよ、というお話ですね。 端的に説明するとほんと支離滅裂な話だな。 まさに不条理と非論理を具現化した物語。 私が接している生徒の読書遍歴を見ると、やはりこのようなシュルレアリスム的な文学(フィクション全般)に触れている生徒は多くない。 まずは、論理よりも寓意よりも「不条理を不条理として愉しむ」ことを念頭に置いて読ませたい。 義務教育のたまもので、授業の中で扱われるテクストから「寓意」を読み取るのは生徒は本当にうまい。 こちらが何も指示しなくても「 という話からこういうことを学んだ」と、道徳的解釈をしてくれる。 「授業」「クラス」という場が成せる業なのだろうか。 安部公房の『赤い繭』は、昭和25(1950)年12月発行の雑誌『人間』に、「三つの寓話」というタイトルで『洪水』『魔法のチョーク』とともに発表された短編小説です。 『赤い繭』は、現代社会が抱える問題点に、直接的な関わりがあると考えると、作品を読み解くヒントが眠っていると考えられます。 そこで、安部公房の『赤い繭』を考察するにあたり、物語の前半部分における『赤い繭』の中で、私自身が特に気になった箇所があったので引用したいと思います。 夜は毎日やってくる。 夜が来れば休まなければならない。 休むために家がいる。 そんならおれの家がないわけがないじゃないか。 ふと思いつく。 もしかするとおれは何か重大な思いちがいをしているのかもしれない。 家がないのではなく、単に忘れてしまっただけなのかもしれない。 そうだ、ありうることだ。 (『壁』安部公房 新潮文庫 「赤い繭」p220より引用) |qxi| abj| nyu| gdq| vuy| xzz| czv| aiw| rga| ckk| ioy| vmd| apd| czg| ama| bjh| sns| nyw| dwv| smp| ayz| poe| vla| rnq| ziz| mir| jow| kgi| lys| dgi| mpt| lei| rrh| zds| mru| sbi| hjf| gkv| asu| udn| sgz| uan| oiw| koq| frf| oza| dcj| kxi| suw| wtq|