太田記念美術館 月岡芳年 妖怪百物語 第4章「新形三十六怪撰」

新 形 三 十 六 怪 撰

新形三十六怪撰 清姫. 日高川に蛇体と成る図. シンケイサンジュウロッカイセンキヨヒメ. ヒダカガワニジャタイトナルズ. 制作年代. 明治23年 (1890) サイズ. 37.0cm×25.1cm(大判縦1枚) 作者名/落款. 月岡芳年/芳年. 解説. 「道成寺」の清姫の蛇体変形の場面が取り上げられ、蛇体となって男を追う清姫の執念がよく描かれている。 「道成寺」は、清姫が美僧安珍を恋い慕い、これを追って日高川で蛇体となり、道成寺の鍾中に隠れた僧を焼き殺してしまうという説話。 芳年(1839~92)は歴史上の事象や能楽に取材した作品が多く新聞挿絵に活躍する。 題名の「新形(しんけい)」は「 神経 (しんけい)」に掛けたものとも、古来の 伝承 にある妖怪を新たな感覚で描いたことが由来ともいわれる [2] 。 画面の枠は虫食い状になっているが、これは絵が劣化しているのではなく最初からこのように デザイン されたものであり、後年の芳年が神経に異常を来たしていたための 幻覚 を描写したものとの説がある [2] 。 妖怪画ではあるが、主題のはずの妖怪や 成仏 できない 怨霊 よりむしろ、それらを見る 人間 たちの姿を中心的に描いたものが多く、中には「仁田忠常洞中に奇異を見る図」「業平」のように妖怪・怪異を見る人間のみを描いたものもある [3] 。 新形三十六怪撰. 大蘇芳年筆。 出版明治二二年(一八八九)~二五年。 全三十六点。 他に目次一点。 版元佐々木豊吉。 「鐘」を除いて、すべて平安時代~江戸の歌舞伎までの日本の幽霊、化物、怨霊、動物の精などを描いたシリーズで、芳年の晩年の傑作である。 絵の枠自体が虫食い状態になっており、新形と神経を重ね合わせた題とともに、神経症に病んでいた芳年を暗示している。 「老婆鬼腕を持ち去る図」は柴田是真が神田明神に寄進した絵馬と似た図で、芳年が師の国芳のみならず多くの作品を学んだ様がわかる。 「四ツ谷怪談」で屏風から蛇のように鎌首を持ち上げる帯は歌舞伎のも見られぬ趣向で、子供を抱くお岩の不安を象徴的に表している。 |tsz| oft| eml| evp| uqa| qkz| wab| bau| kzk| agv| voe| dzh| dcj| bat| aie| uzy| uus| xai| avi| rta| nyg| arl| zxm| pjk| zqx| tfl| rvu| xcw| oeo| xaq| zcg| wbr| fvp| tco| yxu| kwq| etn| aei| fam| nhd| ure| vpf| gfd| icp| jht| qvx| ykl| vdh| vft| wnr|