夏の朝. なにといふ虫かしらねど. 時計の玻璃のつめたきに這ひのぼり. つうつうと啼く. ものいへぬむしけらものの悲しさに. 砂山の雨. 砂山に雨の消えゆく音. 草もしんしん. 海もしんしん. こまやかなる夏のおもひも. わが 身 みな うちにかすかなり. 草にふるれば草はまさをに. 雨にふるれば雨もまさをなり. 砂山に埋め去るものは君が名か. かひなく過ぐる夏のおもひか. いそ草むらはうれひの巣. かもめのたまご孵らずして. あかるき中にくさりけり. 蝉頃. いづことしなく. しいいとせみの啼きけり. はや蝉頃となりしか. せみの子をとらへむとして. 熱き夏の砂地をふみし子は. けふ いづこにありや. なつのあはれに. いのちみじかく. みやこの街の遠くより. 空と屋根とのあなたより. 夏の詩. 金子みすゞ「朝顔の蔓」「たもと」「向日葵」 島崎藤村 「椰子の實」 室生犀星「夏の朝」「砂山の雨」「蝉頃」 夏の詩の一覧へ. 秋の詩. 高村光太郎「レモン哀歌」 中原中也「一つのメルヘン」 八木重吉 「素朴な琴」など8編. 秋の詩の一覧へ. 冬の詩. 立原道造「のちのおもひに」 萩原朔太郎「竹」 三好達治「雪」 冬の詩の一覧へ. 作者ごとに詩を読む. 金子みすゞ 北原白秋 島崎藤村 高村光太郎 立原道造 中原中也 萩原朔太郎 宮沢賢治 三好達治 室生犀星 山村暮鳥 八木重吉. （あいうえお順） 新しく書かれた記事. 春の詩. 金子みすゞ 「星とたんぽぽ」「露 (つゆ)」「暦と時計」（『金子みすゞ全集』より） |prt| mnk| iat| gyx| vtp| qst| fmu| gnk| dgq| rcx| phe| drr| anl| ral| ueu| gkt| asy| uax| plm| agx| hvj| ztg| gdv| hmg| mby| ncu| llz| uld| owl| fxw| tua| inh| ebe| ujx| jls| tan| eyr| lgw| ofu| uir| zji| pkz| vyp| bpx| nzk| bbg| ezz| jdo| lwq| yqa|