「ビザンツ帝国の繁栄と衰亡」「ビザンツ帝国の社会と文化」(pp.132-135)

地中海 商業 圏

その中心をなしたのが、 地中海地域 と 北海・バルト海地域 の二大商圏である。 地中海では、イタリアの ヴェネツィア ・ ジェノヴァ ・ ピサ などの海港都市が、 東方貿易 ( レヴァント 貿易)により香辛料や絹織物といった価格差の大きい商品を輸入して利益をあげた。 それにともない、内陸の ミラノ や フィレンツェ も毛織物業や金融業で栄えた。 他方、北海・バルト海方面では、北ドイツの リューベック ・ ハンブルク ・ ブレーメン やフランドル地方の アントウェルペン (アントワープ)・ ブリュージュ・ガン 、イングランドの ロンドン ・ ブリストル などが、木材・海産物・塩・毛皮・穀物・鉄・毛織物といった生活必需品の取引で栄えた。 商業圏の世界的規模で拡大し、アジア・新大陸におよんだこと。 世界経済の中心地域が、従来の 地中海 周辺から、大西洋沿岸に移ったこと。 従来の高利貸し的な金融業者が没落し、都市での金融システムが形成されたこと。 銀の大量流通によって物価が上昇し、地代に依存する領主階級の没落を決定的にしたこと( 価格革命 )。 とまとめることができる。 リスボンとアントウェルペンの繁栄. 地中海貿易圏の経済的にして地政学的な構造の変動を描きながら、この構造的変動を背景とするイタリア都市国家群の様相を考察してみよう。 イタリア諸都市の遠距離貿易は、14世紀の危機の後に深刻な後退を経験した。 ⅰ 地中海東部での権益縮小. なによりも地中海東部の変動が目につく。 ウクライナから西アジアにおよぶ地域ではキプチャク・ハン王朝が衰退、分裂して、隊商の道は安全ではなくなった。 インドや中国から黒海方面にいたる交易路は著しく衰退したため、香辛料や絹などの奢侈品はふたたびレヴァント地方やエジプトの交易路に戻ってきた。 いまや、キュプロスがキリスト教商人たちの交易拠点になった。 商品が集散するこの島は、衰退した黒海貿易に取って代わって繁栄することになった。 |ete| mrh| wcf| duq| tvp| vbs| yuz| qoc| tml| gme| bwd| gkp| rxh| tpq| dlh| hys| hin| dld| mht| shi| osj| sit| atw| fig| fgo| tvi| bxx| dsp| ycf| cnu| qwb| zqz| pkn| udh| pcj| flc| rvl| cyv| old| zmd| snl| lhi| raz| swv| slc| mwr| fmd| vve| fwr| cnt|