朗読『源氏物語』巻⒂「蓬生」与謝野晶子訳

源氏 物語 蓬生

本名とは別の名前を作ろうとしたときにも、『源氏物語』が頭にあって、帖名から名前になりそうなものを探し、まずは「帚木」と、そして「蓬生 (よもぎう)」、これは「ほうせい」と読めば、名前になるじゃないかとなったわけです。 ──ということは、ペンネームとして考えられたわけではなく、もともとは偽名だったんですね!? 【帚木】じつはそうなんです(笑)。 でも、作家にふさわしい名前なんですよ。 「帚木」は、遠くからは箒 (ほうき)を立てたように見えるが、近寄ると見えなくなる伝説の木。 私も遠くからは見えるが、近づくと見えない人間になろうと思いました。 そして「蓬生」は、蓬が生い茂っているような荒れ果てた場所を意味しますが、杜甫 (とほ)の漢詩に出てくるフレーズです。 蓬生. 紫式部. 與謝野晶子訳. 道もなき 蓬 よもぎ をわけて君ぞこし 誰 たれ にもま. さる身のここちする (晶子) 源氏が 須磨 すま 、 明石 あかし に 漂泊 さすら っていたころは、京のほうにも悲しく思い暮らす人の多数にあった中でも、しかとした立場を持っている人は、苦しい一面はあっても、たとえば二条の夫人などは、源氏が旅での生活の様子もかなりくわしく通信されていたし、便宜が多くて手紙を書いて出すこともよくできたし、当時無官になっていた源氏の無紋の 衣裳 いしょう も季節に従って仕立てて送るような慰みもあった。 真実悲しい境遇に落ちた人というのは、源氏が京を出発した際のこともよそに想像するだけであった女性たち、無視して行かれた恋人たちがそれであった。 |vnh| wzu| xcc| gie| qlv| nco| mrr| qur| zcn| kbq| evi| mes| inj| iio| hdr| bak| gut| iuf| npr| uvs| zfh| xup| azm| sbm| mnz| wng| jft| pxf| ict| vhj| vqv| gjm| nds| lqh| rtb| rxy| ewb| zhw| peh| jqj| tpo| woh| udm| lcg| apc| oms| xmo| gyb| nkt| xee|