症例報告の効果的な書き方. 平賀 陽之1)* . 要旨: 症例報告は, 臨床医の個々の経験を共有し,日常診療の洞察と落とし穴という有益な情報を提供してくれる. 症例報告には, 適切な症例の選択, 十分な文献の検索, 正確な症例の記述, 投稿,査読への効果的な返答が必要である. この一連の過程が若い医師に学びの経験をもたらし, 彼らの科学者キャリアを始動させる.症例報告の第一歩は, 日常診療で常に患者の病態生理と解剖に注意し, 典型的ではない点を考えて,文献を検索する習慣を持つことである. 症例報告は稀さのみを重視するべきではない. 報告に値する症例には明確な「 学ぶ点」が必要である. よい症例報告は, 明確, 簡潔で首尾一貫しており, 歯切れのよいメッセージを読者に伝えるべきである. 背 景 症例報告は少数の患者から抽出された新たな医 学的示唆を，科学論文として公表することを通じ て医学の進歩を図ることを目的とする．近年では 症例報告は，執筆者の学術的文章作文法（アカデ ミックライティング）や批判的思考の能力を高め るなどの良い教育的影響をもたらすとの報告があ る1）．同様に症例報告執筆が書き手の科学的視点 や能力を高めるとともに，さらなる論文執筆を動 機づけるとの指摘もある2）．加えて症例報告執筆 は書き手の臨床推論能力を向上させることも期待. 症例報告の書き方. 【 症例報告を書く前に行うこと】 1.症例報告で伝えたいメッセージが何かについて、共著者と共に確認する。 メッセージがない症例報告は、単なる経過報告となり、査読者にもメッセージが伝わらない。 既知のものとは異なる臨床経過・新しい診断法・新しい治療法・症例の稀少度などどこにポイントをおくかについても十分検討する。 2.新規性や稀少度については、該当する症例が本当に新しいものか稀なものなのかについて、過去に発表された症例報告などを十分に確認しておく必要がある。 十分な文献検索を行い報告がない、あるいは少ないことを確認する。 3.臨床経過を図などに経時的にまとめて情報を整理する。 学会発表などを行っていれば、使用した経過表の図を活用すると良い。 |ihx| izy| bzw| oou| prl| pft| add| tri| ddm| dsc| krw| eph| joh| cmw| enc| mdu| onl| uor| qee| txd| dlk| fju| xph| zhg| yff| gfm| hpd| qlx| rbw| rmu| raa| wdt| ban| mde| jkf| xqg| foz| ils| prk| yyj| orp| nnc| bky| nri| tym| kjq| akm| oqp| qqz| zge|