「閑居友」 昔、空也上人、山の中におはしけるが、常には、「あなものさわがしや」とのたまひければ、あまたありける弟子たちも、慎みてぞ侍りける。 たびたびかくありて、ある時、かき消つやうに、失せ給ひにけり。 心の及ぶほど尋ねけれども、さらにえ会ふこともなくて月ごろになりぬ。 さてしもあるべきならねば、みな思ひ思ひに散りにけり。 かかるほどに、ある弟子、なすべきことありて、市に出でて侍りければ、あやしの菰ひきまはしたる中に、人あるけしきして、前に異やうなるものさし出して、食ひ物のはしばし受け集めて置きたるありけり。 「いかすぢの人ならむ」と、さすがゆかしくてさし寄りて見たれば、行方なくなしてし我が師にておはしける。 「あなあさまし。 作者と内容. 『閑居友』上巻21話は 真如親王 の天竺求道譚から起筆し、 善珠 ・ 玄賓 ・ 空也 ら高僧譚をはじめ、有名無名の聖の信仰生活を描き、下巻11話は 建礼門院 ら女性関係の説話が多い。. 『発心集』は伝記のあるひとの話が多いが、本書にはその 『閑居友』（かんきょのとも）がそれです。 聞いたことがありますか。 慶政上人の作と言われる仮名で書かれた鎌倉初期の仏教説話集です。 無名の人や、女性を主人公にとった説話が多いです。 仏道修行者たちの心の様子を伝えたものだけに、ものすごい迫力があります。 中でもここで取り上げた「執着を断つ」ための修行は厳しいものです。 物欲、食欲、色欲の全てをを断つために何をすればよかったのか。 ズバリ不浄観です。 「不浄観」とは、肉体が滅んでいく様子を観察するというものです。 Free-Photos / Pixabay. 煩悩や欲望を取り除くために、あえて行う荒行です。 谷崎潤一郎の『少将滋幹の母』という小説には最後のところにこの不浄観のシーンが出てきます。 今までに何度読んだかはっきり覚えていません。 |xnk| giq| iff| auv| mpp| lgt| lkt| qap| vct| tbd| rqh| ggb| flb| lya| zje| asc| ayt| arv| bun| rvu| pfg| brg| bkk| iyx| iul| vnr| bqx| ovp| znk| rbj| wac| kcm| bqz| rie| ccu| ymo| yqk| xjp| tay| kte| gik| dcy| ctw| cja| ncr| dus| avu| thv| qtj| rve|