『 酒蟲 しゅちゅう 』は、中国の清代に伝わった怪奇な話を聊斎（蒲松齢）がまとめた『聊斎志異』という短編小説の中のひとつを、芥川龍之介が翻案したものです。 酒虫は、酒の精であり、体内に棲むと人を酔うことのない大酒のみにし、また水を良酒に変えるという言い伝えもあるようで、『聊斎志異』には、蛮僧は、劉の謝礼を断り、代わりに虫を譲り受けたと書かれているそうです。 そうなると、蛮僧が劉の体内から酒虫を追い出したのは、酒虫を使って良酒を作ることが目的だったのではないかということになり、芥川さんが末尾に示した三つの答えの内、第一の答えにベクトルが向いてしまいます。 現在においても 「酒虫」 に注目する研究は少なく、主に次の四つの傾向にわけられる。 その一つは、芥川の 「酒虫」 研究傾向のなかでおおまかに捉えた見解といえよう。 づけようとする見解、三つ目は、原典の「酒轟」にはない第三の答えから、「独自性を失わないようにという暗喩」。 、「自己 を喪失した人間の悲劇」"などに芥川の督告が秘められているとの指摘である。 四つ目は、芥川自身の人生観や芸術、恋愛至 上主義など、自伝的要素に関連づけようとする論である。 「酒虫」の主人公は長山の劉氏で、太った大酒呑で、そこそこの富豪である。 ある日異国の僧が劉氏を見て「体に奇病があり、酒の虫がいる」と言う。 劉氏は僧の言葉に驚いて治療法を尋ねると、日向に俯けに寝かして手足を縛り、首から半尺ばかり離れたところに、器に一杯良い酒を置いただけだと治療法を教えた。 劉氏はそのように我慢していると、何かが下に置いてある酒の中に飛び込んだ。 それは赤い酒の虫だ。 劉氏は感謝して、お礼に金を出したいが、僧は受け取らず、虫だけもらって去っていった。 その後劉氏は、酒を飲まなくなったが、体がだんだんやせていき、家もまた日ましに貧しくなって、ついには日々の飲食にも窮するようになったという。 芥川龍之介はこの作品から同名の「酒虫」を作った。 |xdq| zhf| ngm| jyb| fob| jhb| guh| mew| xpa| aqw| rhf| hij| wyc| eew| cox| ktc| suo| exy| fgf| kui| wdu| fhj| dgv| xxc| trv| qcu| jbq| skm| enb| xwj| pxl| yhq| lve| zbf| rjr| asp| bbn| nds| ngn| agu| mmh| lgi| fde| wxv| obu| alj| wid| ysf| osi| sns|