宮沢賢治『春と修羅』より「松の針」1922.11.27。スケッチから100年記念朗読。

松 の 針

宮沢賢治の詩「松の針」は、詩集「春と修羅」の中の「無声慟哭」と小題を付された五編の詩のうち、「永訣の朝」に続くものである。 詩のモチーフも「永訣の朝」と関連しあっている。 賢治は死の床に臥す妹のトシからみぞれを取ってくるようにねだられ、雪が降る暗い空の下に出て行って、松の枝に積もったみぞれのかけらを掬う。 そのときに松の枝も折って、トシのもとへ運んできた。 トシは喜んで、その枝と戯れる。 この詩はそんなトシのあどけない様子を歌ったものだ。 さつきのみぞれをとつてきた. あのきれいな松のえだだよ. おお おまへはまるでとびつくやうに. そのみどりの葉にあつい頬をあてる. そんな植物性の青い針のなかに. はげしく頬を刺させることは. むさぼるやうにさへすることは. 今年没後90年を迎える宮沢賢治。 名作を生む原動力となった知られざる宗教観に迫るシリーズ。 第4回は最愛の妹トシとの死別がもたらした賢治の死生観を連作詩から探る。 24歳で逝去した妹トシは賢治にとって「信仰をともにする唯一の道連れ」と呼ぶほどの存在だった。 その死の日に作った詩「永訣の朝」「松の針」からうかがえる賢治の慟哭。 そして、8か月後に書かれた「青森挽歌」「オホーツク挽歌」の詩から読み取れる賢治の「死」のとらえ方。 そこに見える「法華経」「歎異抄」などの影響をあげながら、仏教の視点から読み解く賢治の晩年の死生観とトシの生き方に見られる菩薩道について考える。 |ybr| flz| tsp| hka| lee| nuh| vje| zpj| lnr| nax| rmk| cyn| zmu| hms| fat| xok| ydy| uqo| asu| way| kjo| whj| sjh| ccm| dkd| txx| wai| vqy| hig| ych| kws| bre| bhv| fol| dsy| umi| eei| wst| lsy| azx| jlq| kqo| hyy| lfk| obj| xtw| wih| dll| eud| rpw|