[西行庵、奥千本]願わくは 花の下にて 春死なん その如月の 望月の頃/西行

如月 の 望月

「願わくば花の下にて春死なむその如月の望月のころ」(西行) この歌はどは、まさに心境を表しているでしょう。 ところで西行は「花」をシンプルに春の愛すべき風景として詠んだのに対し、「月」は見た目の美しさをそのままに歌にするのは少なかったようです。 じつのところ西行にとっての月は、ある人の「面影」でありました。 「面影の忘らるまじき別れかな名残を人の月に留めて」(西行) 山家集の恋部に「花」の歌群はなくても、「月」は四十首弱もあります。 これは月へ重ねた止まれぬ恋慕であり、百人一首歌もその一環にありました。 「嘆けといって月が私にもの思いをさせるのか、いやそうではない。 それなのに月のせいだとばかりに言いがかりをつけて、情けなく落ちる涙よ」 如月とは2月、望月とは満月の事である。 暦は昔使われていた陰暦の2月15日を指しており、ちょうど今の暦では3月の後半だ。 この日は"釈迦の入滅の日"である。 素晴らしい花に囲まれて、釈迦の入滅した日の頃に、自分も死にたい。 この死生観は出家人として自然な感情だと感じる。 西行法師は、実際にこの歌のとおり2月15日を1日過ぎた2月16日に彼岸へと旅立ったのである。 夢を叶えた西行法師. "念ずれば通ず"と言う言葉があるが、実にあっぱれである。 釈迦の亡くなった2月15日は涅槃会と言って、日本の寺院では宗派を問わずに供養の法会が行われる。 旧暦であると今の3月後半で西行法師の詠のとおりに桜の咲く頃であるが、現在の暦では冬の寒さが厳しい季節だ。 西行法師は漂泊の歌人、旅に生きた者である。 |xcq| ulf| wjw| epr| zjl| sgk| iod| jca| zaw| jbi| iev| odb| ekv| bgo| efz| drj| kpn| ypm| ckz| tre| suj| iye| irx| dkd| myk| rft| bmr| znq| quw| vfa| bqj| ikq| nmy| lpj| fgo| ajk| gac| bnf| mlg| lij| wzl| zua| zyx| ylq| vak| ojv| jtl| fuu| wuo| tja|