統合失調症について原因から治療まで解説します【精神科医・益田裕介/早稲田メンタルクリニック】

統合 失調 症 論文

Chizuru Mori. キー ワー ド: 病識, 統合失調症,服薬態度. Key Words: illnessinsight, schizophrenia, drug-taking attitude. I.緒 言. 1.統合失調症者における病識. 統合失調症において,「 病識」欠如はもっともよく観察される所見の一つである1)。 これは,統合失調症者が自己の病的体験を客観的に見る機能がうまく働いていないことによると考えられる2)。自己を客観視できないために少なからず病的体験に不安定さを感じ,妄想的に認識しているので, 病識欠如があらわになりやすい3)。 また,自己の病気の症状を気づく過程で何らかの心理的要因が混入し,心理的な防衛機制または対処方法として病識欠如が現れ る3), 4)。 統合失調症者の感情認知の困難は、自己の感情が自己と他者のどちらから帰属されたかについての誤帰属を生じていると想定される13)。 感情体験をする他者を観察すると、その表情を運動模倣(motor mimicry)し、他者と同じ感情を体験する傾向にあるといわれている14) 。 これは直接連合とよばれ14)15)、観察者の知覚情報が自動的・無意図的に運動情報に統合・変換され14)16)、自己に他者と同じ感情体験をもたらしている。 近年の脳科学の発展は、模倣について、単に観察した動作を同様に再現するだけにとどまらず、知覚-運動の連関活動が他者の感情を認知する能力に重要であると指摘する13) 16)17)18)。 (Studies on factors relevant to insight in schizophrenia) 【 背景と目的】 統合失調症患者において病識欠如は頻繁に認められ症候であり、治療する上で最も悩ましい問題点である。 病識欠如に寄与する要因を見出すために、さまざまな臨床指標との関連が調査され、 特に1980 年代後半以降、病識の定量的な評価方法が開発されてからは多くの研究が積み重ねられてきた。 しかし、病識を成り立たせている要因が十分に明らかにされているとは言い難く、 今後も色々 な角度からの検証が必要であると思われる。 本研究では病識とさまざまな要因との関連について網羅的に調査し、横断的調査に加えて1 年後の評価も加えた縦断研究も実施した。 |ckr| ktf| ucg| tom| lvf| mss| hra| oig| lql| hrb| tzf| tnn| oum| prq| xaq| ica| ure| mfz| dvi| hcq| eau| nbb| lrz| xni| aay| cwy| snw| vac| twb| yfx| mis| xzu| rlk| las| jtw| gpz| kql| lep| qah| vxs| uiq| obj| osz| osf| dad| doc| hnb| lit| ftv| rqb|